【日程】9月11日(日)
【山域】中越 巻機山
【メンバー】A部M(L),H間(SL),
Y本,T置,I松(記)
【行程】桜坂駐車場発0600~0730
右岸ナメ沢出合~0930上部ゴル
ジュ帯※~1300二股~1400巻機
山避難小屋~1630桜坂駐車場着
※中流部ゴルジュ入口のF8m上
部左岸の踏跡に、先に見える滝
の巻道と勘違いして迷い込み、
急傾斜に密生する藪のトラバースに90分程度タイムロス。
『天気予報も目まぐるしく変化する中、好天予想が報じられた日曜日、より晴天が見込まれそうな日本海側の新潟県巻機山西面の米子沢を訪れました。
巻機山に源を発する米子沢は、中流部にかけていくつか比較的大きな滝を懸け、上流部は沢の代名詞ともなっている天空に続く美しい大ナメや、詰めも伸びやかな草原に導かれる、越後の美渓と称えられるとおりの明るく開放的で魅力溢れる沢でした。
当日の概要についいて、以下にご報告します。』
入下山地点となる桜坂駐車場は、略満車に近い盛況で、人気の山域であることが伺われる。米子沢の遡行者も多く、駐車後準備を整える僅かの間に五組程のパーティーが先行する。暫く上部へ林道を進み、最終堰堤上部より入渓する。
装備を付けていると、胸に“巻機山山岳救助隊”の名札の付いたカッターシャツを着た10名程のグループが登って来られ、お話を伺うと訓練山行とのことで、「滑り易い箇所もあるので気を付けて」とアドバイスをいただく。訓練の労いと「何かあったら宜しくお願いします」と挨拶を交わすが、後刻、実際にお世話になるとは想定外・・・。
砂防堰堤により堆積した土砂で伏流化していた流れも、遡行するに従い沢らしくなり、左手から直線上のナメ滝を落とす沢を併せると、やがて大滝の巻道に到る。その後も暫く滝が連続し、前半の核心部となっている模様で、優雅なナメや豪快な直瀑など多彩な渓谷美に浸りながら快適な?(切り立った懸崖やヌメヌメの滑滝ではお助け紐や残置スリングを有難く使わせていただく他,滑るナメではかなり腰が引けた状態での)遡行が続く。
行程も半ばに差し掛かり、沢が左に屈曲する辺りからは後半の連瀑帯に入る。ゴルジュ手前で、右壁にロープを伸ばしていた先行パーティーと登路が交錯したため、後側2名が待機したことで前後の間隔がやや開き、当方が右側から滝の上に抜けた地点から程近い左岸踏跡を先に見える滝の巻道と勘違いして迷い込む。暫く進むもトラバースする踏み跡は見つからず、かなりの大高巻きとなる懸念と、次第に藪も濃くなってきたため、一旦下りながらトラバースできそうな箇所を探すこととする。かなり下ったものの適所は見当たらず、そのうちに下から登ってきた他パーティーと合流して、トラバースするポイントを探すものの判然とせずウロウロしていたところ、ゴルジュ先の滝上で休憩していた件の救助隊の方々から、傾斜の緩そうな地点を指示いただいた他、うち何名かは急斜面の藪を漕ぎ、途中まで出向いて誘導いただくなど、大変ご厄介となった。(※正規ルートは水線どおしで、この踏み跡は以前の巻道?で、現在は歩かれていないとのこと。)
救助隊の方々にお礼を述べて、先行組の後を追う。結果的にゴ後半部分後半部分は拝めなかったものの、その後も多様な滝群や、豪雪に磨かれ発達したスラブ帯、中でも圧巻の大ナメなど、素晴らしい景観が次々と展開される中、二俣下部で長時間待たせてしまった3名とも合流し、先を急ぐ。
最上部は、緑の絨毯を敷き詰めたような開放的な草原状で、時季的には花と紅葉の端境期ながら、青空にもよく映え、ゴロリと昼寝をしたくなるような癒しの空間。避難小屋直下の水場で冷たく美味しい水を汲み、装備を解除して避難小屋へと向かう。
丁度小屋前で休憩中だった救助隊の皆さんに改めてお礼を述べて、途中のタイムロスもあり巻機山頂は割愛して井戸尾根経由で下山。当日の最高地点となるニセ巻機山からは、遮るもののない大展望を大いに楽しむ。上部の尾根筋は、そよぐ風も何処となく秋の気配も感じられ快適だったが、高度を下げるにつれ井戸壁辺りからは残暑の現実に引き戻された感で、汗だくの下山となった。
『参加者の足拵えは、フェルト3名に対してラバー2名でしたが、スラブ帯での安定感では、ラバーソールに軍配が上がったようでした。(番外編)』