乗鞍岳(リベンジ)

【日時】 2016年1月9日(土)

【場所】 乗鞍岳

【メンバー】 N谷(L)、K子(SL)、T置(報告)

【天候】 雪のち晴れ

【概要】

1月8日(金)

20:40K子、N谷、T置。乗鞍に向けて再び出発。土曜日、乗鞍の天候は悪くは無い。今回登れなければいつ登れるんだ?皆がそんな気持ちを抱きつつ23:30、風穴の里の駐車場到着。少し雪が降っている。手際よくテントを設営。明日は2:30にはここを出る。起床は1:30。早々に就寝。

1月9日(土)

予定より少し早く駐車場を出発。3時前に乗鞍スキー場駐車場到着。車から降りると雪は降っているものの風がない。今回は登れる。それぞれがそう感じているのか、会話を交わす事もなく淡々と支度を進め、3:40駐車場を出る。かって知ったる乗鞍スキー場。N谷さんを先頭にK子さん、T置と続く。前回あった月明かりが今回はなく、ヘッドランプの明かりだけが頼り。思いのほか現在地を把握するのが難しい。

4:50 ゲレンデトップ

すね位の雪が積もる。ここからは3人で先頭を交替しながらラッセルインターバル。

6:50 スカイライン合流付近

7:52 スカイラインヘアピンカーブ

ここまで順調。日は昇り、視界良好、風も強くはない。この状況であれば進んでさえいれば登頂出来ると改めて思う。ヘアピンカーブからは3つの登頂ルートがある。N谷さんから、今回の天候、雪のつき具合から剣ヶ峰ダレクトルートで行こうと提案があり、それに決定。ここまではお膳立て。いよいよ、ここからが本番だ。山の世界に足を踏み入れる。身が引き締まる。風も少しづつ強くなり、雪が絶え間なく流れていく。

9:00 無風ポイントで大休止

この尾根を越えてから一気に世界が変わった。ガリガリと思えば、新雪すね位のラッセル、かと思えばくるぶしまでの雪の下にアイスバーンが隠れていたりと、雪の状況が場所により目まぐるしく変わって行く。N谷さんがクトーを着ける。暫く進みいよいよスキーだけでは難しいと感じはじめ「アイゼン履きませんか?」と問いかけた。「未だ行けるんじゃない?」N谷さん、「この標高でこの先まだ雪が積もっていたらつぼ足だとラッセルで時間がとられます」K子さん。二人の意見に納得して、T置はクトーを着けることに。

風はどんどん強くなる。天気がいいだけに吹く風だけが恨めしい。風さえなければどんなにいい天気だろう。風さえなければ。すると後ろから「スキーじゃ登れないのでアイゼン着けます!!」とK子さんの声。「先行ってて下さい!」と言う。少し離れてしまえば風雪でお互いの姿も見えなくなる状況。そんな事出来るわけないだろ。暫し待機。雪が流れる。風に打たれる。太陽は明るい。風、止んで欲しい。

15分位そうしていただろうか。K子さんが装備を終え登りだした。再びスタート。風で何度かバランスを崩す。一歩一歩確実に足を出していく。少し露出していた頬が痛い。「ここから先はスキーじゃ厳しそう。我々もアイゼンつけようか?!」とN谷さん。岩が所々露出しているポイントに慎重に移動。K子さんが到着するのを待つ。板を担ぎ一歩一歩難儀しながら登ってくる姿が見える。この風の中板を担いで行くのは危険だろう。じゃあデポ?ここに?トレースも直消えてしまうこの状況で、スキーがなくなる事も、雪が積もって板が見つけられない可能性だってある。それもない。登るだけなら行けても、下りの事を考えたら。。待つ間いろいろな事が頭を巡る。二人は言わないだろう。だから敢えて言った。「N谷さん!この先登りますか?!」きっと驚いたと思う。後少しだって事は皆が思っている事だから。「引き返す?!」「危ないと思います!」そんな会話をしていた時K子さんが登ってきた。「アイゼンに替えようと思う」とN谷さん。「アイゼンにするなら板はデポした方がいい。あおられる!」そんな事あまり言わないK子さんの言葉に切迫している状況が伺える。デポ出来ないこの状況ならもう選択肢は一つしかない。「ここで止めよう」とN谷さんの決断で下山決定。そうと決まれば出来るだけ早く風を凌げる場所に移動したい。クトーを外し、シールは着けたままで下山開始。アイスバーンで2度滑った。兎に角慎重に。慎重に。

登頂中に大休止した風を避けられる場所に到着。なんて平和なんだろう。笑

シールを外し改めて下山の準備。この斜面は新雪パウダー地帯。先ほどの状況が嘘の様に、雄たけびを上げながらパウダーランを楽しめるN谷さんの切替の早さに感動。逞しい人だな。笑

雪を楽しみながら駐車場まで降りた。

 

精神的にも肉体的にも疲労しましたが、色々な事が体験できた充実した山行でした。

乗鞍で良い条件だと思われる時でも、あの位のレベル。少しでも悪そうと感じられる時なんてもってのほかだったという事が今なら分かる。

諸先輩方から色々なアドバイスを頂きました。

全てが実体を持って今なら理解出来る。もっと経験を積まなければ。かと言って無茶をするつもりはない。今後ともご指導ご鞭撻を頂けましたら幸いです。

 

で、今度はいつリベンジ行きますか?笑

 

※コースタイム

0330 行動開始ー0505 切通し取り付き急登(K子さん靴づれオペ、N谷さんシールトラブル対応含む)0515ー0700 位ヶ原(休止)0725ー1030 標高2973m下山決定時間(N谷さん再度のシールトラブル対応含む)ー1220標高2460m大休止1250-1330ゲレンデリフト乗り場行動終了

 

東京スキー山岳会にご関心をお持ちいただいた方はどうぞお気軽にお問い合わせください。(⇒お問い合わせ

例会見学歓迎です!(日時はこちらをご参照)